前田良憲先生を偲んで
まずは、前田先生のご冥福をお祈りいたします。
先生の訃報を知ったのは、本年7月、岡井さん(39期)からのメールでした。3月の事故からは数カ月が経っていました。
残念でなりません。高校時代の思い出は、とにかく“しごかれた”ことしか覚えていません。わたしはキャプテンでしたが、その権限もなく、稽古では前田先生がすべての陣頭指揮を執っていました。終わりの見えない「かかり稽古」、道場の扉から必ず追い出される「地稽古」、試合に負けた時の「鬼の形相」、やはり日体大出身の先生だからこそ、剣道の実力者であり、そして、稽古にも試合にも厳しいのだと痛感しました。しかし、そのおかげで剣道は上達し、特に試合に臨む心構えと自信が大きく変化したように思います。公立でありながら強豪私学を幾度となく倒せたのも、技術・心の両面に対するご指導があったからだと今でも確信しています。
先日(11月3日)、前田先生にお世話になった八尾高校剣道部OB・OGが集い「前田先生を偲ぶ会」が開催されました。久しぶりに先輩・同期・後輩と再会し、高校時代の剣道話しに花が咲き、また、卒業後の先生とのお付き合いも含め、先生のお人柄に触れ、改めて、前田先生の偉大さと不慮の事故でご逝去された残念さをお互い嚙み締めたひとときでした。
わたしの結婚式にも出席いただき、何の前触れもなく、結婚式の前日夜に突然、自宅にお越しになり、お祝いの品をいただいたこと鮮明に記憶しています。木製マガジンラックですが、いまでも大切に使っています。
わたしも60歳過ぎとなりましたが、剣道を続けて(正確に言うと30年ほどのブランクの後、数年前から復帰)います。これまで永年にわたりご指導・お付き合いいただき、ほんとうに有難うございました。
これからも天国からわたしたち教え子を温かく見守っていてくださることと思います。さようなら、前田先生。
|